フランスが舞台のマンガ6 「砂の城」

これまたフランスが舞台の、(またまた古い、、)少女マンガ 「砂の城」の紹介です。フランス語でマンガにはLe château du sable と書いてありますが、正しくは  Le château de sable




作家は一条ゆかり

今でもいろいろな作品を描いているのでご存知の方も多いのではないでしょうか?「有閑倶楽部」「プライド」など。とてもシリアスなマンガからコメディまで、いろいろあります。また、2007年に文化庁メディア芸術祭マンガ部門で「プライドは優秀賞に選ばれました。


さて、「砂の城」はどんなお話しかと言うと、超ドシリアス。どんなにシリアスかと言うと、、ご紹介しますね。。

裕福な家庭に誕生した Nathalie (ナタリー)が生まれた日、家の前に捨てられた Francis (フランシス) 、ふたりは兄妹のように育てられます。惹かれていく二人ですが、身分の違いもあり両親の反対にあいます、が、、克服。

幸せは束の間、Nathalie の両親が他界、親戚に仲をさかれそうになり、おもいあまって崖から身を投げ心中をはかる二人。。

Nathalie は助かりますが、Francis は見つからず、死んだと思われていました。ところが、実は少女漫画でありがち、、の記憶喪失になっていたのです。

目撃情報から居所を Nathalie が突き止めた途端、 Francis は事故でついに帰らぬ人に。しかもFrancis は他の人と結婚して子供をもうけていたのでした。

またまた驚いたことにフランシスの奥さんはフランシスを追っため、Nathalie  Francis の息子をひきとり、マルコと名付けられたその子を Francis と改めて名づけます。


これだけでもすごいメロドラマです。あらゆる不幸が Nathalie を襲うのですが、実はここまでは砂の城の第一部に過ぎません。しかもこの第一部の最後は、これが少女漫画?というような暗~~い場面でおわります。

第二部は Francis(息子のほう)の青年期の話になります。

そしてますます重い展開に。Francis は美しい後見人の Nathalie に惹かれ、そして Nathalie もまた。しかし、彼の中にお父さんの Francis を奪った母の影を見て苦しんだりもします。

今だったら流行り?の年の差恋愛、でも、この話が描かれたのは1997年から1981年(第一部と第二部の間には約1年の休みがありましたが)

Nathalie は世界的に有名な童話作家になり、相変わらず美しいのですが、暗いのです。いつも不安で寂しく、。ナタリーをめぐる人々の恋愛事情等も描かれていますが、激しい想いを抱く人が多く、精神疾患なども描かれます。

展開ははやく、ドラマチック。恋愛関係はたいていドロドロ。。そんなところがなんとなくフランス、、って感じでしょうか?フランス映画のイメージ?あと、舞台設定がリッチです。フランスの日本でのイメージってリッチ、ゴージャスって感じですよね。

実際のフランスはそうではない面が多いとは思いますが。



「砂の城」、絵は最初から最後まで、とてもとても美しく(多少タッチが変わりますが)、うっとり、絵のおかげでさらにドラマチックに仕上がっているんだと思います。

へぇ~、、と思ったのは作者には絶対にない性格をもった Nathalie、描くのには並々ならぬ苦労があったとのこと。ああ、あの優柔不断さが大変だったのね、、と思いました。

このドラマチックなところが良かったのか?日本でも1997年の昼ドラになりました。フランスのゴージャスな設定は日本に置きかえられ、昭和の家庭の話になっていました。

ドラマは見なかったのですが、どうだったのでしょう?
一条ゆかりの作品は他にもドラマや映画になったものがあります!

いつまでも現役で、そしてまたフランスが舞台のマンガを描いてほしいな~と思いました。


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